少年部および壮年部について

光圓流では、四歳児から七十歳近い方まで、幅広い年齢層への指導を行っております。

幼い頃から武術に親しむと、理にかなった姿勢や自然でよどみない所作が身につきます。稽古の質量を上げていけば、高い持久力や瞬発力も備わり、さまざまな身体活動にも数え切れないほどの好影響を与えてくれることでしょう。
先輩や後輩との練習を通じて、礼儀作法や仲間を思いやる心、観察眼や複雑な人間関係への対処も覚えていきます。同世代と切磋琢磨することにより、目標を持つことの大切さに気づいたり、あきらめない気持ちも育っていくことでしょう。
そうして積み重ねた能力が、やがて不動の自信となり、その後の人生を支える大きな財産になってくれることだと思います。

実践性を追及する団体では、少年部の指導をしてないところも多いと聞きます。動きもおぼつかない児童のうちから時間をかけて丁寧に育てたとしても、部活や受験で忙しくなるとやめてしまう生徒があとを絶たないからというのが、その最たる理由のようです。
当流では、稽古によってたくわえた能力を、部活や受験に活かしてもらえればよいという方針で、少年部への指導にも力を注いでいます。仮に武術から遠ざかったとしても、進学や就職を通じて社会貢献をしてもらえれば、それがすべての関係者にとっても最善の結果に繋がるのではないかと考えているからでもあります。

武術の真の価値に気づくのは、おそらく周囲の同世代が衰えを感じはじめる成年以降になるでしょう。そのときにまた、少年部を卒業していった生徒たちが、武術は自分にとっての財産だったと思い至り、稽古場へ戻ってきてくれれば、これほど喜ばしいことはありません。

壮年部では、まったくといっていいほど運動経験のない方から、他武術を長年経験してきた高段者まで、多様な入門者がいらっしゃいます。みなさま社会経験を積んでおられるので、人間関係も円滑で、稽古場の雰囲気はとても和やかです。
指導内容は高度ですが、わかりやすく段階的に覚えられるように体系づけられているので、運動の苦手な初心者でも根気よく続けてさえいれば、相当な技量が身につきます。

むしろ問題となるのは、他の武術やスポーツや格闘技の経験者で、長くやっている人ほど特有の癖がついている場合が多いため、修整するのに時間と労力がかかることがあります。
どこをどう調整していけばよいのかという指導法はおおむね確立されているのですが、本格的にやってきた人ほど肉体的にも精神的にも硬直している傾向が強く、人によっては初心や素直さを取り戻すまでに、へこたれないあきらめないという相応の覚悟がいるかもしれません。その分、それまでの殻を打ち破ったときに、大きな成果と達成感も得られることでしょう。

光圓流では、四十代五十代は伸び盛り、六十代での完成形を目指しているので、多くの入門者にとっても、猶予は充分にあるはずです。
「老いて動けなくなった」という漫然とした認識で終わらせず、「なぜ動けなくなったのか」を、食養や神経系や骨格筋などを通じて具体的に解きほぐしていくため、いくつになっても新たな成長の可能性を見つけられます。
練習も安全第一で、怪我を未然に防いだり故障個所に負担をかけない稽古法なども充実しております。
基本、組手、型、補強、柔軟、練体、呼吸、修養。すべてに先達から受け継いで集積された智慧が息づいています。

あとは、学んだことを続けられるかどうか。わずかずつでも向上心を持ち続け、自らの心身の変化を浮き沈みもふくめて楽しんでいけるかどうか、になるでしょう。
生涯武術を通じて成長したいと願う方や、お子さんの限りない成長を願う方は、ぜひ体験入門へいらしてください。みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。